著者 紹介

大熊 裕哉

新潟県新潟市

おおくま鍼灸マッサージ治療院

URL

http://okumachiryouin.com

 

足太陰脾経穴。穴凡そ二十一穴。左右に合わせ四十二穴。

 

隠白、大都、太白、公孫、商丘。、三陰交、漏谷、地機、陰陵泉、血海、

箕門、衝門、府舎、腹結、大横、腹哀、食竇、天谿、胸郷、周榮、大包

 

隠白(素問より)足の大指端内側に在り。爪甲根を韭葉の如きに去ること。鍼三分。灸三壮。腹腫。嘔吐。足寒痺不仁。婦人月事が時過ぎ、止まらず。按ずるに世俗。精神昏瞀して人事を省みざるもの。或いはこの穴及び湧泉穴は灸。烓は斗大の如し。何の故たることを知らずなり。必死の病と呼ぶ。薪を以てこれ焼くも、囘生(生き返る)を期すからずなり。死未の病と呼ぶ。灸せずといえども、しかれども別に生路有らんなり。その嬰童精神王せ未だ一時の発熱癇瘈に因ってなお昏瞀致すか若きは間にそれに灸すること過多にして諸病即治し、灸瘡を患うこと数十日、癇瘈救えない症状を発するもの。予数これ視て慎みざるべからず。

 

大都(霊枢より)大指本節後ろに在り。(医学網目では後の字は前とある)鍼三分。灸三壮。熱病汗出ず、手足逆冷。腹満善嘔を治す。

 

大白(霊枢より)腕骨の下に在り。(沈氏釈骨云く。大指本節後宛宛者。腕骨に曰く、その内側に在って核の如き者を核骨と曰く)鍼三分。灸三壮。股膝□(骨+行)疼痛。轉筋。骨痛を治す。

 

公孫(霊枢より)本節後ろ一寸、核骨の下に在り。鍼灸は上と同じ。足跗(足の甲)不仁。心痛。胃脘痛。下血。脱肛を治す。

 

商丘(霊枢より)内踝下、微前の陥中に在り。前に中封あり。後ろに照海あり。この穴は中に居る。鍼灸は上と同じ。足跗腫痛。小児の脚弱を治す。

 

三陰交(甲乙経より)内踝上三寸に在り。鍼灸は上と同じ。婦人の諸疾。偏墜(陰嚢の腫れ)、木腎を治す。姙娠には刺ことせず。かつ死産を落とすこと能う。(古人この事有るかや。予は敢えて信ぜずなり)

 

漏谷(甲乙経より)踝上六寸に在り。鍼灸上と同じ。膝痺。痃癖。心腹満。失精。湿痺久しく立つこと能わずを治す。

 

地機(甲乙経より)膝下五寸に在り。鍼灸上と同じ。水腫の不食。小便利せざるを治す。

 

陰陵泉(素問より)内輔骨下に在り。鍼一寸。灸七七壮。気淋(排尿障害)。腰痛。霍亂(コレラ)。疝瘕(寒邪による少腹の塊)を治す。よく逆気を下す。大乙の歌に云く。腸中切痛。陰陵、調ふ。

 

血海(甲乙経より)膝臏(しつひん:膝蓋骨の古名)上内廉、白肉際、二寸中に在り。鍼五分。灸五壮。漏下悪血。月事不調。腹痛滞下。小便遺失を治す。

 

箕門(甲乙経より)血海の上六寸。両筋の間。直に五里(足)の下に在り。鍼五分。灸三壮。淋遺溺。鼠鼷(径)腫痛。小便不通を治す。按ずるにもっぱら轉筋して痛み忍びぶべからずを治す。鍼一寸、久しくこれを留む。

 

衝門(甲乙経より)大横の下五寸。横骨端。中行去ること三寸余りに在り。鍼五分。灸五壮。淫濼陰疝(淫らな行為による腹痛)。中寒。積聚。難乳子(子、心を捻るなり)上りて心を衝き、息することを得ず。

 

府舎(甲乙経より)腹結の下三寸。衝門上七分に在り。鍼八分。灸五壮。厥気。霍亂。大便難、腹満。積聚。㿉疝(陰嚢の引きつり、子宮脱)を治す。

 

腹結(甲乙経より)大横の下一寸三分に在り。鍼灸は上に同じ。瀉利心痛。脚気の腹に入る。癥瘕(女性器の腫瘤)。臍を繞って(まとって)絞痛するを治す。

 

大横(甲乙経より)平臍やや高し。或いは曰く腹哀下三寸。鍼灸は上と同じ。洞泄(食べて即泄す)。

 

腹哀(甲乙経より)中脘の傍四寸。大横の上三寸に在り。鍼灸は上と同じ。寒中食化せざる。癥瘕腹痛を治す。

 

食竇(甲乙経より)天谿下一寸六分に在り。鍼入一分。灸三壮。胸痛満。咳逆を治す。

 

天谿(甲乙経より)胸郷下一寸六分に在り。鍼灸は上と同じ。胸脇痛。咳逆。婦人乳腫を治す。

 

胸郷(甲乙経より)周栄下一寸六分に在り。鍼灸は上と同じ。一云、轉筋を治す。

 

周栄(甲乙経より)中府の下一寸六分に在り。鍼灸は上と同じ。

 

大包(霊枢より)淵液下三寸。九肋間に在り。周栄に従い斜めに下行して、章門の上三寸に出づ。鍼灸は上と同じ。腹に大気あり。胸脇痛。腹満。轉筋を治す。