著者 紹介

大熊 裕哉

新潟県新潟市

おおくま鍼灸マッサージ治療院

URL

http://okumachiryouin.com

 

手少陰心経。穴凡そ九穴。左右合わせて十八穴。

 

極泉。青霊。少海。霊道。通里。陰郄。神門。少府。少衝。

 

極泉(甲乙経より)腋下胸に近き筋間。動脉隠中に在り。鍼三分。灸七壮。胸脇痛。専ら狐臭(いわゆるワキガ)を療す。三棱鍼を以て微かにその血を瀉す。

 

青霊(明堂より)肘上三寸に在り。鍼三分。灸三壮。肩臑肘臂不仁を治す。

 

少海(甲乙経より)肘の大骨の内廉。肘端を去ること五分に在り。鍼三分。灸三壮。治効は上と同じ。千金に云う。腋下瘰癧(リンパ節腫脹)を主る。一云。肘臂の隠痛を治す。

 

霊道(甲乙経より)掌後一寸半に在り。鍼三分。灸三壮。肘攣。心痛。乾嘔。暴瘖(失声)を治す。

 

通里(霊枢より)掌後一寸に在り。鍼三分。灸三壮。面熱。喉痺。肘臂痛を治す。

 

陰郄(甲乙経より)掌後五分に動脈在り。鍼灸、治効は上と同じ。

 

神門(素問より)掌後銳骨端、動脉に在り。鍼灸、治効は上と同じ。按ずるに人、寸口の脈、微かにして神門のこれ脈が隆起する者は或り。病脈非ずなり。婦人が妊と不妊、興の如きもこの脈常に動す。

 

少府(甲乙経より)小指本節の後直、労宮に在り。鍼二分。灸三壮。臂疼。肘攣。陰挺(婦人陰部に生ずる異状の肉の隆起)。陰癢(陰部の痒み)。中風で手臂が挙げられずを治す。

 

少衝(甲乙経より)小指内側爪甲を去ること一分に在り。鍼一分。灸三壮。心火炎上して眼赤き、嘔吐を治す。微かにその血を瀉す。