足の少陰腎経
・1 湧泉(井木穴)
取穴:足底中央の前方陥凹部。足指屈曲で最も陥凹する部。
取穴②:足の小指(至陰)から然谷へ斜めに引いた線上の真ん中、足心の陥かなるところにあり。(灸法医典より)
取穴②は経脈の流れを考えるとしっくりくる。著者は②を採用している。
治効:腰痛、便秘、下腹痛、小便不利、内熱、息苦しい、頭痛、のぼせ、鼻血、頚凝り、口の渇き、足の冷え又は煩熱、足の五指が全て痛む、精神異常など
鍼灸説約、鍼灸聚英には尸厥(突然昏倒し昏睡すること)とあり、深谷師は百会と併せ用いた。聚英には婦人無子とあり不妊症にも効あるよう。
・9 築賓 (陰維の郄)
取穴:太谿穴の上5寸、腓腹筋下垂部とヒラメ筋の間
治効:解毒により治療後に下痢するとよい。小児が胎毒による頭痛、ひきつけ、嘔吐など。薬物中毒、腓腹筋痙攣、動悸など
沢田健先生は下毒の名灸穴。長野潔先生は副腎皮質ホルモンの分泌を高めると考えた。
陰維脈の郄穴で、郄穴は気血の深く集まる所を云う。