五行論は陰陽論と並び東洋医学の思想の主軸となる理論です。
「中国は広大な大陸で、東西南北中央が、それぞれ特異な地勢となって居り、産物・気候も相違していることに起因するものと考えられる。また一年に四季の春夏秋冬の変化のあることもそのひとつの要因となっていると考えるべきであろう。
中国大陸の地面の色は、中央は黄河流域の黄土地帯であり、南方は紅土地帯、西は砂漠は白く、北は鉄・石炭を埋蔵して黒い、また東方は最も樹木繁々して青い。
中国は北に行けば寒い、南に行けば暑い、西に行けば砂漠になる故に乾燥し、東からは風が吹いて来る、中央の黄河領域は当時は沼沢が多く湿潤であった」(黄帝内経素問の栞 丸山昌朗より抜粋)
以上が五行論の基本となる。そのために日本とは異なる点も伺える。
五行論は方角とその土地柄に合わせて産物として
東方は木、南方は火、東方は金、北方は水、中央は土があり、
木火土金水の五要素で自然や人間も構成されていると考えた。
この五行のなかに陰陽論を併せて陰陽五行論と発展してきた。
五行の中に五臓を当てはめると、
木ー東ー肝
火ー南ー心
土ー中央ー脾
金ー西ー肺
水ー北ー腎
五行のなかにも陰陽があり母子関係(相生)や力の優劣(相克)など一連の動きが作られている。
「素問 陰陽応象大論編」
東方は風を生ず。風は木を生じ、木は酸を生じ、酸は肝を生じ、肝は筋を生じ、筋は心を生ず。肝は目を主る。(略)
南方は熱を生ず。熱は火を生じ、