著者 紹介

大熊 裕哉

新潟県新潟市

おおくま鍼灸マッサージ治療院

URL

http://okumachiryouin.com

 

症例 ー 風邪による首肩痛 -

50代 男性

主訴:首肩の凝りによる痛み、頭痛

 

望診:大柄で筋肉質、赤ら顔

 

腹診:上腹の冷え、腹全体は張ってガスが溜まってる状態

 

脈診:浮・滑・虚 肺虚 左尺中が浮かすとやや硬い

 

接診:頭部全体が熱を帯びている。肺経の乾燥(尺皮)、下腿胃経の緊張

 

経過:昨晩冷房を点けたまま就寝した。朝起きたら頭痛と首肩の凝りを感じ、頭痛薬を飲んだ。頭痛は軽減したが、首と肩の凝りと痛みが残る。

 

考察:冷房による風寒邪の侵襲で、肺気の循りが阻害され、腠理の開闔がうまくいかない状態となっている。元々暑がりではあるが、身体は熱っぽいが無汗である。肺気を循らせることで、汗と共に停滞している上焦の熱を放散できればよいと考える。

 

証:肺虚太陽経虚熱証

 

処置:太白、経渠、中脘(置)攅竹(瀉)百会、中府、孔最(灸)

   脾兪、肺兪、天柱、風池(瀉)、風門+肺兪+大椎(灸)

 

肺虚で表の熱の停滞のため、浅く刺激は弱く。瀉法は軽く抜くイメージで、灸は熱を通すというより、温めて循らせるイメージで行う。

 

術後の反応はよかった。しかしその日の晩は仕事で飲み会にでないと行けなかった。十分に注意し、早めの次回来院を促す。