10代男性 学生
主訴:過敏性腸症候群
症状:食後直後の下痢、ガスがたまる、時々腹痛 易疲労 手足の 冷え 朝に寒気を感じる 嗜眠
望診:痩せ型 色白 顔はやや赤ら顔に(ニキビ有)
腹診:腹直筋の緊張有 主に心窩部と胃経 触覚過敏
脈診:沈軟やや数 脾虚
考察:脾虚による胃腸症状であるが数脈や顔の赤ら顔から熱所見もあり虚熱も考えられるが、悪寒や手足の冷え方から陽虚、胃経には多少熱の停滞を考え施術。
処置:大陵、太白、衝陽、中脘、飛陽、脾兪、胃兪
考察②:易疲労があり、身体的に無理すると腹痛や下痢が悪化しやすい。夏でも手足が温まりにくく、数脈は消えたが、しっかり脈が上がってこない。体質的には気の流れが悪く肺虚、脾虚の以前に腎精不足もあったと考え脾腎陽虚に証を変え施術。
処置:太谿、衝陽、三里、関元、胸部散針、肺兪、脾兪、腎兪
その後ゆっくり症状は緩解。便は軟便が出やすいが、水様ほどではなく回数も減少した。疲労もたまりにくく日常生活を送れるほどになった。
この症例は、体質がうまく変わった例として挙げてみた。
陽虚症状は気、血ないしは津液ともに不足した状態から起こり、日常でも生活リズムなど気をつけないと好転しにく場合もあるため、本人にも養生を心がけてもらい良い結果となったと思う。